コーヒー語り
販売開始から約1ヶ月経過、高いけど美味い、他と一線を画する豆です。
名前からして「これコーヒーなの?」と聞かれることも多いのですが、コーヒーです。ピーチ&ライチは香りからとってます。

収穫されたコーヒ―チェリーはそのまま種(以下コーヒー豆、豆)を取り出されるのではなく、ある過程を経た後で豆が取り出されます。
この過程を精製と言い、上記の写真は「ナチュラル(非水洗式)」と呼ばれる過程の一枚です。収穫したチェリーを天日乾燥させ、その後実から豆を取り出す昔ながらのやり方です。
この過程は水資源に乏しい国でもできるというメリットもありますが、逆に水(大雨)に悩まされるインドネシアでは「スマトラ式」という
独特の方で精製されていますし、水をふんだんに使う「ウォッシュド(水洗式)」やナチュラルとウォッシュドの中間である「フリイウォッシュド」なんてのもあります。
前置きが長くなりましたが、今回ご紹介する「ピーチ&ライチspecial」は、コロンビアでウォッシュド精製により生み出された豆です。
他と一線を画す理由は、その特殊な精製方法にあります。それが「ダブルアナエロビック・ファーメンテーション」という長い名前のものです。
下線部が大事なのですが、「アナエロビック」とは日本語で書くと「嫌気性発酵」、といいます。
チェリーから種を取り出す過程の多くで「発酵」という手段が用いられていますが、「嫌気性」とは「酸素に触れさせない」という意味です。
これにダブルがかかっていますので、「二回も嫌気性発酵させましたよ」ということになります。ということは逆に、それだけ手間暇に金かけて作ってますよ、ともいえるのです。
これにより生み出される香りが「桃やライチ」という他とは一線を画すもので、お値段も同じく…なんですね。
より美味しく素晴らしいコーヒーを、という農園側の懸命な姿勢がうかがえます。
たまに聞かれるのが「インフューズドコーヒー」との違いですが、これは全く違います。
インフューズは英語でinfuse、注入するという意味です。なので直訳すると「注入されたコーヒー」となります。
何を注入するの?という話ですが、これは主に苺やパイナップル、パッションフルーツなどの果物やシナモンといったスパイス、
他にハーブなんかも?という話を聞いたことがあります。
発酵の過程にこれらを一緒に詰めることで、コーヒーに「別の何かの風味」を注入したものがインフューズドなのでこれも当然
これまでの一般的なコーヒーとは一線を画す風味ですが、コーヒーでないものを注入することについて賛否両論あるそうです。
一種の流行りみたいなものなので、数年後まだあるかどうかは分からないですね。
というわけで、高いが美味い!他のコーヒーと一線を画す純コーヒー「ピーチ&ライチspecial」のご紹介でした。
ご購入はこちらからどうぞ!
コロンビア ピーチ&ライチ special ダブルアナエロビック 200g
2023-08-22 11:32:44
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何にでも表と裏があり、メリットとデメリットがあります。
自家焙煎コーヒー屋をワンマン経営するメリットは、予算に応じて自分の好きな豆をガンガン入荷できる事です。
デメリットはズバリ、相談相手がいないこと。防波堤がない波打ち際を攻め続けるみたいな感じ。
このスペシャルティコーヒー黄金期ともいえる現在、コーヒー豆と一言でいっても本当にいろいろな種類の豆があります。
例えば写真の麻袋の中にはインドネシアの豆が入っていますが、インドネシア産のコーヒー豆は銘柄がとても多い!
この豆はマンデリンですが、他にトラジャ、カロシ、バリ神山、ガヨマウンテン、ジャバ、そしてこれらの名前がつかないコーヒー豆達もあります。
さらにマンデリンといっても、農園が違う、グレードが違う、標高が違うことから価格に差が生じ、またまた種類を増やす要因となります。
こんな感じで、どの国の、どの地域の(銘柄の)、どのグレードの豆を、どの商社から購入するか、ということを日々考えています。
いくらいい豆でも高すぎて誰も買わないとなったら最悪ですし、安いからという理由だけで飛びつくとあとでエライ目にあいますね。
そういった豆は袋開けてみて欠点豆だらけだったと言っても、基本的に返品がききません。安物買いの銭失い、というやつです。
庵のお客様のニーズに合わせ、価格と風味のバランスが取れた最良の逸品を選ぶのが私のお仕事。
インドネシア以外にも世界中でコーヒーは生産されており、まさによりどりみどり。
これから夏に向けての豆の選考を始める予定です。
2023-05-10 13:29:46
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家庭用エスプレッソレバーマシンという言葉は、3つの要素により構成されています。
・家庭用
対義語にあたるのが「業務用」など。
なんで店で家庭用のエスプレッソマシンを使っているかというと、うちの規模では家庭用で十分だからです。
一般的に業務用は、短時間で大量生産できるものを指します。その代わり、エネルギー消費も大きい。
家庭用は単相100V電源に対し、業務用は三相200Vなんてザラです。単相200Vもありますが
・エスプレッソ
いわゆる「コーヒー」と「エスプレッソ」は原料が同じでも全く違う飲み物です。
石油が原料でも「ガソリン」と「灯油」は全く違う。これと同じ感じです。
普通のコーヒーは粉にお湯をかけることにより成分を抽出して飲むものです。
色々な入れ方がありますが一番多いのが「ドリップ」コーヒーで、自分でドリップするものが
「ハンドドリップ」コーヒーになります。
一方エスプレッソは、粉の「塊」にお湯を強い圧力をかけて押し当て、粉の成分を一気に抽出して飲むものです。
粉は圧力が逃げないように極細挽きで、塊を作るために「タンピング」という操作を行います。
このタンピングにより味が左右され、同じ粉でも淹れる人により味が変わる要因となります。
圧力をかけるため電源を必要とするマシンを使うか、蒸気圧を使う直下式をの道具を使って作りますが、前者の「電源を使うマシン」が「エスプレッソマシン」と呼ばれるのに対して、後者の「蒸気圧を使う直下式」のものは「マキネッタ」という呼称が有名です。
イタリアの家庭ではマキネッタは必需品であり、大阪の「一家に一台たこ焼き機」みたいな感覚でマキネッタがあると言われています。
普通のドリップコーヒーと違い少量で非常に苦く、本場イタリアでは「ズッケロ」と呼ばれる超細粉砂糖をザッと入れ適当にかき混ぜてクイッと飲んでフィニッシュです。
・レバーマシン
先述のエスプレッソマシンのうち、粉の塊にマニュアルで圧力をかけて抽出するものがレバーマシンです。
ボタンが電源しかなく、電子部品が少ないため作りがシンプルで故障しにくいですね。
写真は家庭用レバーマシンの配線部分ですが、中は見ての通りスッカスカで電源、ボイラーとつながるコードがあるだけ。複雑そうな機械は見当たりません。
マニュアル式なので圧力の掛け方にブレが生じ、このブレが味に変化を生じさせます。
慣れるまでは厄介ですが、慣れてくると自在に圧力を調節できるようになるということなので、濃いめとかあっさりめとか、
自分お好きなようにできるわけです。
反対に機械式はオートマチックのため粉をセットしたらボタンをピッと押すだけで抽出が始まります。湯の圧力の一定なので、圧力によるブレが生じません。
ただし当然電子部品が使われていますのでレバー式より構造は複雑で、故障もレバー式より多いという。
以上、なんとなくまとめてみたの巻。
2023-02-11 13:47:58
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アフリカ大陸東部、首都をナイロビに置くケニアと言われて一般的によく連想されるものは
・身体能力がずば抜けて高い(マラソンとか)
・マサイ族
・サバンナ
・1km先まで見える超的視力(私が小学生の時にテレビでやってました。やらせかも。)
まあこう言った感じかと思いますが、世界的に見ても優良なコーヒー生産国です。
アフリカのコーヒーは東側の国々で盛んに生産されています。
コンゴみたいな中央アフリカでも生産されていますが、西側はほとんど聞きません。
エチオピア、タンザニア、ケニア、といったよく聞く国は全て東側、マラウイやブルンジもタンザニアとほぼ隣接
しているので、東側と言っても良いでしょう。
ケニアの格付けはAA、AB等ありますが、これらは豆の大きさ(スクリーンサイズ)が基本です。
大きいものほどランクが高く、価格も高くなります。
さらに風味選別で優れているものは+とか、Topとかつき、価格もさらに釣り上がるわけです。
私は今までAA Top規格のケニアを飲んできましたが、その一つがこのレッドマウンテンです。
もう一種類は「マサイAA Top」というコーヒーです。こちらも美味しい。
両者ケニアの最高格付け豆ということもあり、風味の甲乙は付け難いと個人的に思っています。
バランス型のマサイ、パンチ力重視のレッドマウンテン、好みは人それぞれでしょう。
私はレッドマウンテンの方が好きで、両者試して結果的にこちらに落ち着いているわけです。
ところでこのレッドマウンテンは「ニエリ地区」という地域で生産されています。
この地域は肥沃な赤土が特徴的で、レッドマウンテンの「レッド」の由来は夕日が沈みゆく雄大な山々ではなく
この赤土から来ているとのこと。
ならジャマイカの「ブルーマウンテン」は、山の土が青いのかというと、そういうことではないらしい。
お近くキューバの「クリスタルマウンテン」というコーヒーも、山が水晶でーとかいう話ではない。
コーヒーは名前に「なんたらマウンテン」とつけると手を伸ばされやすい傾向にあるようです。
世界の「〇〇マウンテン」なコーヒーを集めるのも面白いかもしれませんね。
2023-01-20 20:26:11
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コロンビアといえば麻薬が〜治安が〜とブラックな印象が強い国ですが、コーヒーの名産地という一面のあります。
首都はボコタ、標高なんと2640mと超高地です。ボゴタの場所は上の地図参照。
コロンビアのコーヒーは南部ほど明るく、北部に行くほどマイルドな優しい風味になっていきます。
最南端に位置するなリーニョは特に優れたコーヒーの名産地で、COEにもよく選出される地域ですね。
その少し北に位置するのが、現在庵でも仕入れているウィラという産地。ここも優れた産地です。
さらに北部に行くとマニサレスやメデリンがあり、これらも名産地ですがウィラやナリーニョ産と比較すると
風味は異なってきます。
ちなみにコロンビアは赤道直下の国の一つとして挙げられますが、上記の都市のうち最も赤道に場所はどこでしょうか?
正解は「ナリーニョ」です。赤道はコロンビアのかなり南側を通っています。
珈琲検定でも赤道直下の国として習うのですが、厳密いうとナリーニョも赤道より北に位置しますので、これより
北部のマニサレスやメデリンは赤道直下と言ってもいいのか、悩ましいところです。
余談ですが一応ブラジルも赤道直下の国です。
ただしブラジルはコロンビアと逆で国のかなり北部に赤道が通っています。
ブラジルのコーヒー名産地ミナスジェライス州などは赤道よりかなり南に位置するため、
一般的にブラジルは南半球のコーヒー生産国とされているようです。
で、なんでわざわざこんな記事をアップしたのかというと、庵のコロンビアがアップグレードしたからです。つまり宣伝。
上記にもある通り庵のコロンビアはウィラ県の豆ですが、今月仕入れた豆より農村指定が加わりさらに厳選されたロット
になりました。
農村指定だけではアップグレードと言えませんが、これに伴いSCAAの評価も前回よりアップしているため、
アップグレードと言って間違いありません。
是非お試しを!
2022-11-07 23:08:12
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インスタで毎度おなじみ豆の乾燥工程です。気温、湿度が下がりいい感じの季節になりましたね。

こんな感じで巨大ボウルに水を張って

水に漬けた後、洗う。
春夏秋冬、数年全く同じことをしていてよく分かってきましたが、正直最も仕上がりがいいのは冬です。
理由は、おそらく水温が最も低いからなのだと思います。
夏と冬とで気温や湿度は当然大きく異なりますが、それに伴い水道水の水温も全然違います。
冬場の水洗いは手が真っ赤になる程冷たいです。慣れればなんてこいとないですが、馴染むまできついです。
今年の夏は試しに水質が保証されている井戸水を使用して水洗いをしてみたのですが、仕上がりに微妙な差が生じました。
井戸水は水道水と違って年中水温がほぼ一定ですので、夏場の水道水より温度が低いんです。
どう違うか、を書くとまたかなり長くなるのでここでは割愛しますが、ここ最近の気温低下により水道水の温度も
かなり下がってきました。水道水で手を洗ったあと井戸水に触れて暖かいと感じたら水道水の温度の方が低いサインです。
10月下旬ごろから同じくらいまで下がりましたが、ここ数日で明らかに水道水のほうが低くなったように思います。
これは同時に冬の入り口に立ったというサインでもあるのです。
洗いを考えると憂鬱ですが、コーヒーの風味を想うと早く冬になれとも想うのです。
ジレンマですな。
2022-11-02 00:35:23
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コーヒー業界の新シーズンが始まり、ブラジルなどの新豆が入り出してきていますね。
分かってはいたのですが、値上げ値上げのオンパレードです。
現在の情勢を考えるとまあしゃーないとかいう感情もありますが、それ以上に頭が痛いですね。
どうも今年はエチオピアが弱いらしいです。取引先に聞いてみたところ大体どの業者も口を揃えて
「クリーンだけど、昨年より風味が弱い」
と言っています。珈琲も農作物やし当たり年ハズレ年あって当然といえばそれまでですが、焙煎屋から見ると
果たしてどうなっているやらクワバラクワバラ…みたいな感じです。
それでいて値段も3割近く上がってる(大袈裟ではなく、ガチです)モンだから本当にたまったもんじゃないですね
まあ、風味については弱ければ強く風味が出るように焼く工夫をすれだけばいいことです。
昨年より弱いからダメとかゼロイチの話でもありませんので、生産者様に感謝して美味しく焼いていきましょう。
今後の仕入れ予定は
コロンビア、ウガンダ、エチオピアナチュラル
↓
ケニア、タンザニア、エチオピアウォッシュド
↓
ブラジル、インドネシア、その他
差し当たりこんな感じでしょうか。基本全部値上げされていますが、幅は国によって違いますね。
一番えぐい国は、⚪︎⚪︎です…次回はその辺の突っ込んだ話をしていきましょうかね。
2022-10-28 00:15:35
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ネットニュースを見ていると、政府が経済政策で家庭で電気・ガス・ガソリン代の負担軽減策として標準的な過程で4万5000円を支援することで最終調整に入っているとか何とか。
標準的な家庭って何とか諸々つッ込まれそうな箇所はあるが、ありがたい話です。
珈琲屋は仕入れた豆を焙煎して販売するのがお仕事です。もちろん喫茶もやってたらそれも大事。
仕入れた豆をどう保管するかはお店によって様々でしょうが、うちは一室を保管庫としてそこに全ての生豆を置いています。
夏は高温多湿、冬は低温低湿。ここで特に問題になるのが夏でして、何も対策せずに置いておくとかなり劣化します。
私のお師匠様は豆を10kgずつ小分けにして生豆専用冷蔵庫に放り込んでしまうらしいですが、うちは24時間冷房つけっぱなしです。設定温度は、最低の18℃。
これやると光熱費がえらいことになります。ぶっちゃけ店閉めて短期出稼ぎとか行った方がマシかと思えるレベル。
今年は既に夏も終わり寒さがキツくなってきましたが、8月、9月の電気代は無事爆発していました。
来年の今頃はエネルギー諸々の価格が下落していますように。
2022-10-27 01:01:43
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夜寝る前にyoutubeを見ていると、フラットアース説とやらを発見した。
読んで字の如く、「地球は球体ではなく、平面である」という説らしい。
またまたご冗談を。「カレーは飲みものである」とかいうギャグ半分なおふざけ説かとググってみたら、意外と真面目に
言っているらしい。
信じる信じないは別として、ご興味がある方はググっていてください。
…コーヒー関係ないやんけ。
2022-10-17 22:51:17
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