コーヒーとダイエット

最近「ダイエットにコーヒーが効果的」という話を聞くことがあります。
ダイエットはつまるところ贅肉を落とすこと、つまり「余計な脂肪を落とすこと」が目的です。
最近コーヒーに含まれるある成分が、運動や代謝による「脂肪燃焼をより高める」働きがあることが分かりました。
飲むだけで痩せませんが、代謝を高めたり運動を組み合わせることで、コーヒーはダイエットに効果的である
ということができるでしょう。
では具体的にその成分とは何か?どういったコーヒーがこの成分を効率よく摂取できるか?
今回はこのことについて詳しく触れていきましょう。
要点は以下の3つです。
〇コーヒーに含まれるダイエット効果のある成分とは
〇浅煎りと深煎り、ダイエットに効果的なのはどっち?
〇ホットとアイス、ダイエットにより効果的なのはどっち?
それぞれの項目につながりがありますので、ぜひ最後まで一読ください。
〇コーヒーに含まれるダイエット効果のある成分とは
コーヒーには様々な成分が含まれていますが、美容関係で特に注目される成分は
カフェイン と クロロゲン酸
この2つです。カフェインは眠気覚ましでもおなじみの成分ですが、クロロゲン酸は聞いたことがないという方も
多いかもしれません。
実はワインなどでおなじみポリフェノールは、クロロゲン酸の一種だったりします。
この2つのうち、ダイエットに関わる物資はズバリ!カフェインです。
最近の研究で、脂肪燃焼にカフェインが貢献することが明らかになりました。
(引用)
https://www.businessinsider.jp/post-232381
(本文抜粋)
朝の一杯のコーヒーがあなたの体を目覚めさせ、新陳代謝を活発にする可能性があることを、新たな研究結果が示唆している。
2021年1月7日付のオープンアクセスジャーナル「International Society of Sports Nutrition誌」に掲載された研究論文に、カフェインが運動中の脂肪燃焼能力を高めることが示されている。
スペインのグラナダ大学の研究者らは、25歳から39歳の健康で運動能力の高い男性15人を対象に実験を行った。
被験者はプラセボ(偽薬)、あるいはカフェインの粉末を体重1kgあたり3mg摂取してからエクササイズを行った。
その結果、カフェインを摂取した場合は、プラセボを摂取した場合に比べて、11%から13%多くの脂肪を燃焼させることができたという。
そしてこれは、午後よりも代謝がややゆっくりとしている午前中の方が効果が出やすいと考えられている。
(ここまで)
この研究データは非常に興味深いものがあります。
カフェインを摂取してからエクササイズを行った、というところも要チェックです。
端的に言うと、カフェインが運動による脂肪燃焼効果を高めている、ということですね。
〇浅煎りと深煎り、ダイエットに効果的なのはどっち?
ここからは上記を踏まえて、カフェインに注目していくことにしましょう。
結論から書くと、深煎りのほうがカフェイン接種量は多くなる傾向にある、といえます。
ただし摂取量と脂肪燃焼効果の相関関係は書かれていませんし、浅煎りだと効果がないとか、そんなことはありません。
普通に一杯のコーヒーを淹れるとき、深煎りの方がカフェイン接種量が自動的に多くなりやすいのです。
どういうことでしょうか?ここから少し数字の世界に入りますので、ゆっくり読み進めていってください。
コーヒー豆の量は、一般的に質量で測りますよね?すり切り一杯、10g!とか。
浅煎り、深煎りは焙煎度合いの違いですが、実はコーヒー豆に含まれるカフェインの量は焙煎過程で変化しません。
分かりやすく、1粒のコーヒー豆に10mgのカフェインが含まれる、と仮定しましょう。
この豆を焙煎して、浅煎りにしても深煎りにしても1粒あたりのカフェイン含有量は10mgのまま、変化しません。
ただし、豆全体の質量は焙煎度合いにより違ってきます。焙煎過程において豆に含まれている水分が抜けていくためです。
焙煎が進めば進むほど豆は膨らみ水分は抜けて、深煎りほど抜ける量が多くなり、もとの質量より軽くなっていきます。
…ここまで、大丈夫でしょうか?まとめると
「豆を深く煎るほど水分が抜けて一粒当たりの全体の重さは軽くなるが、カフェイン含有量は変化しない」
ということです。
これを踏まえて、浅煎り・深煎りコーヒーを一杯ずつ淹れてみましょう。

例えば同じ銘柄のブラジルの豆を用意し、浅煎り、深煎りと煎り分けたとしましょう。
さて、浅煎りも深煎りも15gずつ豆を測り取りました。
全体の質量は同じですが、先程の理屈から一粒当たりの重さは深煎りの方が軽くなります。
ということは、同じ15gでも、豆の個数は深煎りの方が多いはずですよね。
一粒当たりのカフェイン含有量は変わらないので、使う豆の数が多いほどカフェイン量は多くなる…あ!
コーヒーの種類によって一杯あたりに使用する豆の量を変えているなら話は変わってきますが、
多くの場合一杯あたりに使う豆の量は、浅煎りだろうと深煎りだろうと同じです。
だから、普通に一杯のコーヒーを淹れるとき、深煎りの方がカフェイン接種量が自動的に多くなりやすいと言えるのです。
〇ホットとアイス、ダイエットにより効果的なのはどっち?
同じコーヒーの場合、ホットで飲んでもアイスで飲んでも同じです。熱いか冷たいかだけの違いですので。
ただ、当店のように喫茶店アイスコーヒー専用の豆は深煎りのしっかりした苦みのある豆を使う傾向にあるため、
先程の理屈でいうと深煎り豆をふんだんに使うアイスコーヒーの方がカフェイン量は多くなるといえます。
また、特に昔ながらのお店はアイス用の豆に「ロブスタ種」という豆をブレンドして焙煎します。
スペシャルティコーヒーは「アラビカ種」という品種で、ロブスタ種より風味がいい傾向にあります。
ただ、カフェイン含有量はロブスタ種の方が多いです。大まかに2~3倍と考えていいでしょう。
ちなみにクロロゲン酸もロブスタ種の方が多く含まれているようですね。
少し前に美肌効果にロブスタコーヒーが紹介されていましたが、これはクロロゲン酸の効能を根拠としているようです。
というわけで、ホットかアイス、どっちが効果的かについては、
使う豆によって結果は異なるが、深煎りの豆、またロブスタを使うアイスコーヒーはカフェイン含有量が多くなる。
ということが言えるでしょう。

長くなってしまいましたが、ここまでいかがでしたでしょうか。
最初の方にも書いたように、カフェインは脂肪を燃焼させるのではなく、脂肪燃焼効果を高める効果があります。
脂肪を燃焼させる運動の代表例が、有酸素運動です。これを穏やかに、長時間持続させてください。
短時間の激しいランニングより、長時間の緩やかなウォーキング、ジョギングがおススメです。
適度な運動と適度なカフェイン接種で、健康的な夏を送りましょう!
2021-06-02 11:57:30
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